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【演劇】ハイキング フォー ヒューマンライフ

 宇梶さんの戯作は難しいと聞いていたので、覚悟して見に行きました。いやもう最近難しいのはダメなんですよ(昔も別に得意じゃなかったけど)。どんどん脳細胞死んじゃってるんで。ちゃんと理解できるのか不安でした。
 
 
作・演出:宇梶剛士
出演:中山祐一朗,村岡希美,新谷清水,今奈良孝行,友寄有司,松浦和香子,信川清順,前田晃男,吉添文子,谷川昭一郎,藤谷文子,宇梶剛士

《あらすじ》
 富士の樹海の奥深く、進太郎”は見ず知らずの中年男に散弾銃を突きつけられていた。
 進太郎は、大学時代のサークル仲間とハイキングに来ていたのだが、ある日突然実家から姿を消したという愛犬”ロックにそっくりな犬を樹海で見つけ深追いしてここまで来てしまっていた。中年男は進太郎を自殺志願者だと決めつけ「お前の好きなように死なせはしない。死にたいのなら俺が殺してやる」と迫る。
 進太郎のサークル仲間“都”もまた仲間たちから離れ樹海をさまよっていた。彼女はある男の子供を身ごもっていた。しかしその事を誰にも伝えることができず、思い悩んでいるうちに道に迷ったのだ。そんな彼女の前に現れる娘を失い毎年樹海詣でを続ける中年夫婦。
 岩から 岩へと飛び移り、決して地面を歩こうとしない少女。その少女に付き添う記憶を無くしかけている男。
 様々の事情で樹海を訪れた者達の織りなす喜怒哀楽、人間模様から、人間の脆(もろ)さ、滑稽さ、そして愛おしさが滲み出てくる不条理劇。

 
 ※今回のあらすじはdamimの“ストーリー”から引用させて頂きました。
 
 以下、ネタバレを含む感想。
 

 
 
《役バレ》
大学のサークル仲間
中山祐一朗=シンタロウ(犬を探して樹海をさまよう)
村岡希美=ミヤコ(シンタロウを捜す)
今奈良孝行=タモツ(ミヤコの恋人。シンタロウを探す)
友寄有司=コウサク(セツコと恋仲。シンタロウたちを探す)
信川清順=セツコ(コウサクと恋仲。シンタロウたちを探す)

地元(?)のハンター
新谷清水=オジサン(ミヤコの知り合い)

ハイキングに来た夫婦
吉添文子=マサコ(子供を亡くした母)
谷川昭一郎=(哀しみ方を忘れた夫)

自殺志願者ほか
松浦和香子=女/灰女,
前田晃男=男/灰男

樹海に住む人々(?)
藤谷文子=岩の女(岩の上しか歩けない)
宇梶剛士=栗毛色の男(記憶をなくしている)
 
 
 一人一人の物語だけ見れば、それほど複雑では無いんですが、それらが絡み合うとドコまでが“現実”でドコまでが“夢”だったのか、ちょっと分からなくなってきます。
 少なくとも、思いっきりファンタジー仕立てになっていた「富士の風穴の中にある暗闇の世界」というのは、気絶したミヤコが見ていた夢だろうと思うんですが、導入部分に「シンタロウが誰かに風穴に連れてこられている」というエピソードがあるから、ミヤコが見てる夢なのか、シンタロウが現実に誰かに風穴に連れてこられてるのか分からない。
 しかも、ミヤコを導いて来た女もシンタロウを導いてきた男も、まったく唐突に登場した人物であって、同級生でもない。
 じゃあ、この二人を含めた「暗闇の世界」全部がミヤコの夢かって言うと、その世界に登場した藤谷文子演じる“少女”は、のちに全員の前に現れて、それぞれに別れを告げる(しかも全員に見えている)から、全くのミヤコ一人の夢ってわけでもない。その前に、現実のシンタロウの前にポン太と一緒に“少女”は現れてるし。
 とにかく、この「暗闇の世界」のあたりで、いっぺんワケわかんなくなるんですね。ソレまでは、そうでもなかったんだけど。
 
 で、思いっきり最初に戻ると、新谷さん演じる“オジサン”のキャラが、私にはキツかった。もう、ムカついちゃって。素で。
 頭から物事を決め付けて、人の言う事は聞かないで、一見偉そうな事を言っておきながら、そのじつおまえが一番「しゃんと」してないじゃんか! と思うんだけど、そう思わせるだけの説得力が新谷さんにあって、宇梶さんの書いたキャラクターでもあるわけで。キャラに本気でムカついたのは久々です。見てるのがツラくて、ちょっと帰りたい気分になりました。
 彼は、自殺をしようと樹海を訪れる人を思いとどまらせる役でもあるんだけど、それが相手をやりこめ追いつめ、さらに銃で脅すというやり口。ぜんぜん公平じゃないし、そもそも銃を持ってどうこうするという事がまったくもって許せない。だけど、後半で彼がぽつりと言うわけですよ。
「そうか。自分を撃てばよかったんだ……」
 そこで救われました。そうだよ。自殺しようとする人間を憎んでいるようで、そのじつ一番死にたかったのはあんただよ、やっと気づいたのか、と思って。
 ある意味、主役はこの“オジサン”であったように思います。
 
 
 欲を言えば、中山さんの役はもっと濃くても良かったと思うし、主役のわりには印象ぼけてた。いっそ中山さんと村岡さんの二人をクローズアップした芝居であれば、もっと中身が濃くなった気がするんですが。そこに“オジサン”や“娘を無くしてバラバラになりかけた夫婦”や“暗闇の世界”や“捨て犬”が入ってくるから、全体的に薄まったような。
 宇梶さんが言いたいであろうことは、全部台詞として各々が語ってるし、私としては一番ズシンと来たのは“娘を亡くした母”マサコが軽薄なカップル・コウサクとセツコに対して一気にまくし立てた場面だったりします。
「ハートだなんて言ってるけど、あなた達のは気持ちじゃなくて気分よ」(超うろ覚え)には、はっとさせられました。
[ 2005/09/05 06:23 ] 観劇・映画 | TB(-) | CM(0)
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